内分泌内科|ひろむら内科クリニック|矢野口駅の糖尿病内科・内分泌内科・内科

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内分泌疾患・骨粗しょう症

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内分泌疾患とは

内分泌とは、細胞(分泌細胞)が「ホルモン」を出し、それを細胞(標的細胞)がうけとることで、作用が発揮されるシステムのことです。ホルモンとは、ごくわずかな量で、生理的な作用の調整を行う化学物質です。内分泌疾患とは、ホルモンの分泌の異常(増加や低下)や、ホルモンが作用する臓器の異常(ホルモン受容体や伝達の異常)により、ホルモンの作用の異常が起こり発症します。ホルモンを分泌する臓器は、脳視床下部、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、卵巣、精巣など多数あり、内分泌疾患は多岐にわたります。当院では、甲状腺疾患以外にも、副腎疾患、副甲状腺疾患、下垂体疾患、骨粗しょう症などを、内分泌代謝科専門医が診療にあたりますので、お気軽にご相談ください。専門の医療機関とも連携をとり、診療をしてまいります。

ホルモンを出す臓器

ホルモンを出す臓器

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症は、高血圧症の中で3〜10%前後の割合と比較的高頻度であり、二次性高血圧症の原因として重要な疾患です。アルドステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモンであり、腎臓に作用して水分やナトリウムを取り込み、カリウムを排泄することで、血圧を上昇させたり、カリウムを低下させたりします。原発性アルドステロン症では、副腎が腫れる(腺腫や過形成)により、アルドステロンの分泌が増加して高血圧の原因となります。通常の高血圧症(本態性高血圧症)と比較して、脳卒中、心房細動、心不全などのリスクが高まりますので注意が必要です。アルドステロンの分泌過剰が、片方の副腎(片側性)または両方における副腎(両側性)であるかによって、治療の方針が異なります。一般的には、片側性の場合には手術が検討され、両側性の場合には薬物療法の方針となります。適切な治療を行えば、アルドステロンの過剰な作用を抑え、心血管疾患などのリスクを減らすことができます。当院では、専門の医療機関と連携をとり、スクリーニング・診断を行い、薬物療法や術後の管理も行っていきます。

副腎疾患

原発性アルドステロン症以外の副腎の内分泌疾患の代表的なものとして、クッシング症候群、副腎皮質機能低下症、褐色細胞腫があります。

クッシング症候群

クッシング症候群は、副腎腫瘍や過形成、下垂体腺腫などにより、副腎皮質から分泌されるコルチゾール(糖質コルチコイド)が過剰に産生されて発症する疾患です。下垂体腺腫が原因の場合には、クッシング病と言います。コルチゾールが過剰に産生されることにより、満月様顔貌(顔が丸くなる)、中心性肥満(手足は細いのにお腹に脂肪がつく)、野牛肩(背中の上に脂肪がつく)、皮膚が薄くなる、お腹に赤い筋ができるなどの症状がでます。さらに、高血糖、骨粗しょう症、感染症の原因にもなり、病状が進行すると重篤な状態になる場合もあるため、適切な診断・治療が重要になります。クッシング症候群の原因により治療は異なりますが、副腎の腫瘍が原因の場合には、一般的に手術が検討されます。

副腎皮質機能低下症

副腎皮質から分泌されるコルチゾール(糖質コルチコイド)が不足して発症する疾患です。副腎そのものが障害されて発症する「原発性副腎皮質機能低下症」、下垂体や視床下部の障害や、長期にわたってステロイド剤を内服することで発症する「続発性副腎皮質機能低下症」があります。コルチゾールが不足することで、つかれやすい、食欲低下・体重減少、下痢・腹痛などの消化器症状、低血糖、低血圧などの症状が出現します。外傷、感染症、手術などのストレスなどを契機に、意識障害などを発症して、「副腎クリーゼ」という重篤な疾患を合併する場合もあり、適切な診断および治療が重要です。

褐色細胞腫

副腎髄質から分泌されるカテコールアミンが過剰に産生されて発症する疾患です。本症例の90%は副腎が原発ですが、残りの10%は副腎外に発症しパラガングリオーマといいます。MEN2型といって遺伝に伴って発症する場合もあり、診断された場合は甲状腺や副甲状腺の腫瘍なども調べる必要性があります。カテコールアミンが過剰に分泌されることで、高血圧、脈が速くなる、頭痛、汗がよくでる、高血糖などの症状が出現します。治療の中心は、腫瘍の摘出術ですが、手術の際にはカテコールアミンの分泌を十分に管理することが重要です。悪性の場合や悪性化する可能性もあるため、手術後も厳重な経過観察が必要です。

副甲状腺疾患

副甲状腺疾患には、副甲状腺機能亢進症(原発性、二次性)、副甲状腺機能低下症などがあります。ここでは頻度の高い原発性副甲状腺機能亢進症について説明します。
原発性副甲状腺機能亢進症は、甲状腺の裏にある副甲状腺が腫れる(腺腫、過形成、がんなど)により、副甲状腺ホルモン(PTH)を過剰に産生し、高カルシウム血症、低リン血症の原因となります。4つの副甲状腺が腫れる過形成が原因の場合には、MEN1型といって遺伝に伴う場合もあります。外来で出会う高カルシウム血症の原因の多くが、この原発性副甲状腺機能亢進症です。高カルシウム血症の症状として、気持ち悪い、食欲低下、胃が痛い、尿の量が増える、うつ気味になるなどの症状が出ます。また、骨粗しょう症、尿路結石、腎機能低下などの原因ともなります。また、病状が進行すると、意識障害を伴う高カルシウムクリーゼという重篤な状態になることがあり、適切な診断・管理が重要になります。治療の原則は、手術による摘出術になりますが、手術が困難な場合には内服での治療を行う場合もあります。当疾患の診断には、核医学検査(MIBIシンチグラフィー)が有用であり、専門の医療機関と連携して、治療を行っていきます。

下垂体疾患

脳下垂体は脳の中心から垂れ下がっている器官であり、前葉からは成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ゴナドトロピン(LH, FSH)が、後葉からは抗利尿ホルモン(バゾプレシン)、オキシトシンが分泌されています。これらのホルモンが過剰となる疾患として、先端巨大症、クッシング病、プロラクチノーマがあります。逆にホルモンが不足する疾患には、下垂体機能低下症や、中枢性尿崩症などがあります。その原因として、下垂体腫瘍が重要であり、ホルモンが過剰・不足する症状以外に、腫瘍増大による圧迫が原因となり、視野障害、頭痛などの症状が出現することがあります。MRIなどの画像検査や詳しい内分泌機能検査などが必要であり、当院では、専門の医療機関と連携して精査を行います。下垂体機能低下症などに対してはホルモン補充療法なども行っていきます。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨の量と質の低下により骨折しやすくなる病気です。脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折など、通常折れにくいような太い骨が折れてしまう原因となります。その結果、歩行が困難となり、健康寿命が脅かされる場合もあり、予防や早期診断が重要です。原因としては、加齢、女性ホルモンの低下、生活習慣などがありますが、糖尿病、甲状腺や副甲状腺などの内分泌疾患などが原因となる場合もあります。当院では、DEXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)法といって、各種ガイドラインで基準測定器として定められているより精密な測定装置で診断可能です。抗スクレロスチン抗体、副甲状腺ホルモン薬、抗RANKL抗体などの注射による薬物療法も行っております。ぜひお気軽にご相談ください。